卡夫卡式的捷克生活 My Kafkaesque Czech Life
カフカエスク- プラハの日和

カフカエスク(カフカ風、Kafkaesque)とは、超現実的な世界に入り込み、元々の計画やシステムが機能しなくなる状況を指します。全てが順調に進むはずの計画や持ち合わせている能力の全てがリセットされてしまうのです。

2023年初めにチェコでイラストレーションを学ぶために台湾から渡航しましたが、当初はあらゆる努力がカフカエスクの無力感に包まれていきました。言語の壁や文化の違い、30歳の私と20代の若いクラスメイトとの間には理解し難いことや憶測が飛び交い、これが最初の衝撃でした。

論理と理性が支配する社会の台湾から、夢のような創造性に溢れた美術大学にやって来たことは、また別の衝撃でした。想像力豊かなクラスメイトに囲まれ、イラストレーションへの私の制作は挑戦と刺激の両方を与え、私の人生観にも大きな影響を与えました。
チェコのクラスメイトと交流し始めた頃、チェコ語の会話のみが耳に入りました。彼らが楽しそうに笑っているのを見ても、外国人の私には参加できず、他の同級の留学生としか話せないことが多く、とてつもない孤立感を覚えました。

時間が経過し、精神的に落ち着いてくると、チェコの文化への興味も芽生えてきました。チェコ人は水のようにビールを飲み、友達を作る方法として冗談を交わし、その後真面目な話をするのです。多くのチェコ人は内気で内向的で、何を考えているのか分からないことが多いです。彼等が談笑している話題の殆どが日常の些細な冗談だったりします。

台湾での創作経験やイラストに対する認識が、この地に来てからは方向性を失い、過去の経験や方法も通用しなくなりました。それ以前の複雑で人の心を刺激するイラストが、次第に生活の小さな事物を記録するシンプルなものに変わっていきました。

今回の展示では、チェコでの生活、迷いと無力感、神の助けを必要とした自分自身に向き合う様子やいかに美しい幾何学的な風景が私の心身を安定させ、カフカエスクのチェコ生活を続けるための助けとなりえたかを表現したいと思います。

・2024年7月6日土-14日日
(11:00-17:00月・火曜日定休)
・オープニングパーティー 7月6日(土)14:00〜
・小さなチェコ雑貨マルシェと蚤の市(個展と同時開催)

gallery Biga
〒606-8405 京都府京都市左京区浄土寺上南田町2番地
070-9109-6972
gallerybiga@gmail.com

You may also like

Back to Top